【プレスリリース】日本遺産「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」認定 10 周年記念シンポジウムを開催

〜斎宮と伊勢神宮のストーリーが紡ぐ持続可能な観光地域づくり〜

一般社団法人明和観光商社が所属する明和町日本遺産活用推進協議会は、令和 7 年 9 月 13 日(土)、いつきのみや歴史体験館(明和町斎宮)にて、日本遺産「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」認定 10 周年を記念したシンポジウムを開催します。
本シンポジウムでは、伊勢神宮の式年遷宮を控えた今、斎宮をはじめとする明和町の文化遺産の「保全」と「活用」の両立という課題に向き合い、未来へとつなぐ文化観光のあり方を探ります。基調講演には、地域観光振興の第一人者である公益社団法人日本観光振興協会総合研究所顧問・丁野朗氏を迎え、続くパネルディスカッションでは、地域関係者とともに次の 10 年の未来予想図を描きます。

斎宮を未来へつなぐストーリー 保全と活用の両立

明和町の斎宮は、かつて「幻の都」と呼ばれ、約 660 年間にわたり歴代天皇の代わりに伊勢神宮に仕えた皇女「斎王」が暮らした特別な場所です。2015 年、日本遺産「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」として文化庁に認定され、その物語は斎宮跡にとどまらず、大淀をはじめ町内各地のゆかりの地にも広がっています。

文化財の保存には多額の費用が必要であり、税金などの公的資金に加えて、持続可能な財源の確保が求められます。このため近年では、文化財を保存するだけでなく、観光資源として活用し、地域の誇りとして価値を高める取り組みが全国的に進められています。たとえば、観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」では、歴史的建造物の改修や滞在拠点の整備に補助が行われ、賑わい創出に繋がっています。

一方で、斎宮のような埋蔵文化財は、その土地そのものが文化財であるため、建造物のように物理的に活用することが難しいという制約があります。だからこそ、日本遺産として物語性を持たせ、地域の歴史や文化を「ストーリー」として伝えることが、保全と活用を両立させるために重要となっています。

今回のシンポジウムは、2033 年の伊勢神宮式年遷宮を見据え、明和町の歴史文化を守りながら活かすための知恵と方策を、専門家と地域関係者が共に考える場です。日本遺産認定 10 周年という節目に、これまでの歩みを振り返り、次の 10 年に向けた文化観光の未来像を描きます。


シンポジウム概要

開催日:令和 7 年 9 月 13 日(土)
時間:13:00~16:30
会場:いつきのみや歴史体験館(明和町斎宮 3049-25)
主催:明和町日本遺産活用推進協議会(事務局:一般社団法人明和観光商社)
参加費:無料(事前申込制)
申込方法:チラシ掲載の QR コードまたは専用フォームよりお申し込みください

【プログラム内容】
1.基調講演①: 13:10~14:20『日本遺産のストーリーと持続可能な観光地域づくり』
講師:丁野朗/(公社)日本観光振興協会総合研究所顧問)

2.基調講演②: 14:30~15:00 日本遺産【祈る皇女斎王のみやこ 斎宮】10 年のあゆみ
講師:中野敦夫(合同会社アドバンスカンパニー 代表社員)

3.パネルディスカッション : 15:00~16:30
*テーマ:『日本遺産【祈る皇女斎王のみやこ 斎宮】の未来予想図』
*パネリスト:(敬称略)丁野朗、千種清美(文筆家、明和町特別観光大使)、中野敦夫(合同会社アドバンスカンパニー)、斎宮歴史博物館職員、下村由美子(明和町長)、千田良仁(コーディネーター 一般社団法人明和観光商社)

【基調講演講師 丁野 朗氏 プロフィール】

環境政策のシンクタンクを経て、1989 年(財)余暇開発センター移籍。「ハッピーマンデー制度」や産業観光などの地域活性化事業に携わる。2008 年(公社)日本観光振興協会常務理事総合研究所長を経て、2020 年より同協会顧問。観光庁、経済産業省、スポーツ庁、文化庁(日本遺産・文化観光)などの関係省庁委員や呉市(顧問)、横須賀市、小田原市、舞鶴市、益田市、越谷市など各地のアドバイザーを務める。日本商工会議所観光専門委員会学識委員、全国産業観光推進協議会副会長なども務める。


■ 日本遺産(Japan Heritage)とは

文化庁が認定する制度で、地域に点在する有形・無形の文化財を「ストーリー」で再構成し、地域の歴史的魅力や特色を国内外に発信することを目的としています。文化財単体の価値ではなく、地域全体に息づく歴史や伝承を物語として紡ぐことで、「面的な活用」を促進し、観光や地域振興につなげる点が特徴です。2015 年に制度が創設され、2025 年現在、全国で 100件以上のストーリーが認定されています。

■ 明和町日本遺産活用推進協議会

文化庁から2015年に明和町の斎王に関する物語「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」が日本遺産に認定されたことを契機に設立した協議会です。会長は明和町の副町長が務め、明和町内の日本遺産をはじめとした地域文化遺産の保存・活用を行い、町の文化振興、観光振興に寄与することを目的に活動を行っています。構成団体としては明和町をはじめ、斎宮歴史博物館、一般社団法人明和観光商社、公益財団法人国史跡斎宮跡保存協会、明和町観光協会、明和町商工会、地域のかたや民間企業等が参加しています。

■ 日本遺産「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」

明和町は、天皇に代わり伊勢神宮の天照大神へ仕える皇族女性「斎王」が古代から中世にかけて約 660 年間を過ごしたみやこ、斎宮を有しています。2015 年に日本遺産に認定されたこの物語は、斎宮跡を中心に、業平松(『伊勢物語』ゆかりの松)やカケチカラ発祥の地(伊勢神宮・神嘗祭の「懸税」行事に由来する伝承地)、竹神社など、斎王ゆかりの文化財や史跡で構成され、時代を超えて祈りと文化の歴史を今に伝えています。